認知症と歯周病の関係
認知症には種類がありますが、最も多いのが「アルツハイマー型認知症」です。アルツハイマー型認知症は、脳に「アミロイドβ」というたんぱく質が蓄積されることによって発症するとされています。
通常、アミロイドβは分解されて排出されるのですが、何らかの理由で排出されずに蓄積してしまうと、脳の情報伝達が悪くなり、脳の機能が低下してしまうのです。進行すると、タウという異常なたんぱく質が溜まって、神経細胞を死滅させてしまいます。
認知症を防ぐためには、アミロイドβの蓄積を防ぐ必要がありますが、歯周病菌がアミロイドβの生成・蓄積を促進させることがわかりました。歯を守るだけでなく、ご自身の健康を守るために徹底した歯周病予防を行っていただきたいと思います。
発症因子「アミロイドβ」が
歯周病菌によって蓄積量が10倍に
歯周病菌によってカテプシンBという酵素が増え、アルツハイマー型認知症の発症因子である「アミロイドβ」の受容体(受け皿)が増えることによって、認知症の発症・症状悪化を招くことが、九州大学や北京理工大(中国)などの研究チームによって明らかとなりました。
研究では、3週間に渡って歯周病菌を直接投与したマウスと正常なマウスの脳血管や脳細胞に蓄積されたアミロイドβの量を比較しました。
投与によって歯周病に感染したマウスには、次のような変化が表れたほか、記憶実験により記憶力が低下していることが確認されました。
- アミロイドβを脳内に運ぶ「受容体」が脳血管の表面で約2倍に増加
- 脳細胞のアミロイドβ蓄積量が10倍に増加
近年、認知症と歯周病の関係に関する報告が多数なされてきましたが、この研究によって、歯周病菌が全身に運ばれ、受容体カテプシンBが増えることによって、アミロイドβが生成・蓄積されるというメカニズムが明確になりました。
効果的な対策は、お口の現状・
リスクの把握から
当院は、膨大な疫学データをもとにリスク評価を行なうソフトウェア“OHIS”を使って、現状や将来のリスクを割り出し、効果的な歯周病対策を実施しています。歯周病は、痛みなどの自覚症状がなく静かに進行していくため、「サイレントディジーズ」とも呼ばれています。ご自身が「歯周病であるかどうか」「歯周病になりやすいのか」を把握しておくことは大切なことです。
“OHIS”による歯周病リスク評価方法
①プロービング検査、プラーク付着検査、歯の動揺度検査、レントゲン検査を行います。
②検査結果をもとに OHIS を使って、お口の現状や将来のリスクを割り出し、ご説明します。
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