2018年の調査で、日本人が歯を失う原因の中で最も割合が高かったのは「歯周病」でした。
歯周病で歯を失うことがないように、リスクに応じた治療を行うことはもちろん、リスクを把握したうえで未来を見据えた治療提供を行うことが大切だと当院では考えています。
歯周病で歯を失わないために
歯周病とは、細菌が原因で発生する歯茎の病気です。原因となる細菌の種類は違いますが、虫歯と同様にプラーク内の細菌が直接の原因となって歯周病を引き起こし、自覚症状がほとんどないままに進行していきます。
歯周病が進行すると、歯を支える組織(歯周組織)が破壊され、最悪の場合は歯が脱落してしまうリスクの高い病気です。
このような症状はありませんか?
- 歯茎の腫れが気になる
- 起床時に口の中がネバつく
- ブラッシングで出血する
- 歯茎が下がっている
- 歯がグラつく
- 硬いものが噛みにくい
- 口臭を指摘された
- 歯が長くなった気がする
歯周病は自覚症状がほとんどなく、知らないうちに進行していきます
歯周病の怖さは、痛みなどの自覚できるような症状がないという点でしょう。知らないうちに進行し、気付いた頃には歯がグラグラになってしまうことも少なくありません。初期症状に気付いたら、早めの受診が大切です。
歯周病治療はリスクの把握から始めます
歯周病の根本原因はお口の中の細菌ですが、発生に関わるリスクはさまざまです。お口の中に原因細菌が多く存在している場合もあれば、唾液の分泌量が少ないことで発症リスクが高まっている場合もあります。当院は、一人ひとりの患者様によって異なるリスクを把握して、患者様に合った歯周病治療をご提供していきます。
ファミリー歯科医院での歯周病治療のポイント過去・現在・未来を可視化
歯周病リスク評価により、ご自身のお口の中の現状を把握できるだけでなく、なぜそうなってしまったのか(過去)、これからどうなるのか(未来)がわかります。
専用ソフトを用いて過去・現在・未来を可視化することによって、リスクに応じた予防が可能となります。
歯周病リスク評価でこのようなことがわかります
- 歯周病発症の有無・歯周病の進行度合い(現在)
- どうして歯周病が発症・進行してしまったのか(過去)
- このままでは、歯周病がどのくらい進行するのか(未来)
- どうしたら発症・進行を防げるのか(未来)
基本的な歯周病治療の内容
歯周病治療の基本は、プラークコントロールです。適切なプラークコントロールが行われていなければ、どのような治療を行っても効果が得られません。
基本治療は、進行度に関わらず行う治療であり、プラーク除去をはじめ、噛み合わせの調整等、症状の軽減・進行を防ぐ目的に行います。
ブラッシングの指導
プラークコントロールの基本となるのがブラッシングです。ブラッシングが上手くできていない方には、自分に合った歯ブラシの選び方から正しい持ち方、毛先の当て方までを、歯の模型を用いて丁寧に指導します。
スケーリング(歯石除去)
歯石の表面はザラザラとしているため細菌の温床となりやすく、歯周病の原因となります。
歯石は硬く、ブラッシングでは除去できないため、歯科医院でスケーラーと呼ばれる専用の器具や超音波などを用いて取り除く必要があります。
歯石取りは痛い?
スケーリングは痛いのではないか?と心配される方が多いのですが、当院では超音波スケーラーを使用して、痛みの少ない歯石除去に努めています。
噛み合わせの調整
噛み合わせの乱れは、歯周病の進行を招くため、正しい噛み合わせに調整する必要があります。適合の良くない修復物(被せ物や詰め物)がある場合は修復物を作り直し、お口全体をみて、正しい噛み合わせを長期的に維持できるように整えていきます。
歯周外科治療
歯周病が進行すると、歯周ポケットの深い部分にも汚れが溜まってしまいます。そのため、歯肉を切開して歯根を露出させ、歯石や汚れを徹底的に除去し、症状や歯周ポケットの改善をはかります。
必要に応じて、溶けてしまった歯槽骨を再生させたり整形したりすることもあります。
保険が適用となる再生療法
当院では、歯周ポケットが深い患者様に、歯周病によって破壊された組織の再生を促進する「歯周組織再生剤(リグロス®)」を使用しています。歯周外科治療の際に、成長因子を含む歯周組織再生剤を使用することで、溶かされた顎の骨や歯根膜の再生を促進可能です。
歯周組織再生剤の使用には、歯周ポケットや骨吸収の深さなど適応症はありますが、保険が適用になるというメリットがあります。
メンテナンス
歯周病は、再発しやすい病気です。そのため、一度症状が改善されたからと言って、放置していては再発を招きます。
治療により症状が改善したら、定期的にメンテナンスにお越しいただき、歯周病が再発しにくい口腔環境を維持していきます。
歯周病は予防が大切です
歯周病は年齢が高くなるほど発症しやすくなりますが、年齢に関わらず適切なプラークコントロールを行い予防に努めることが大切です。
病気を知り、正しい予防法を知っていただくTBIセミナー
歯周病は生活習慣病の一つとも言われていますが、一度の治療で改善する治療ではありません。セルフケアや生活習慣の改善等、日々の取組みが必要になります。
歯周病の症状を改善はもちろん、再発を防いで長期的に健康を維持するために、お口の病気や予防方法について、正しい知識を身に付けていただくことが大変重要です。当院では、治療効果の向上につなげていただくため、患者様向けに無料のTBIセミナーを開催しています。